齋藤学選手といえば、今季から横浜Fマリノスのキャプテンに就任し、チームの中心として活躍する、Jリーグ屈指のドリブラーですよね。

2016年11月の国際Aマッチにて約2年半ぶりに日本代表復帰を果たした齋藤学選手ですが、メンバーに選出されながらも本大会未出場、代表チームとしてもグループリーグ敗退と前回ブラジルW杯では屈辱を味わいました。

それから2016年Jリーグでの躍進と日本代表復帰までの長き雌伏とその間に遂げ始めたプレースタイルの変化を振り返ると共に、その先に見え始めてきた2018年ロシアW杯出場と海外移籍の可能性についても考察したいと思います。

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プレースタイルに変化?和製メッシの評価や反応は?

170cmに満たない小柄な齋藤学選手の元来のプレースタイルといえば、その低身長を最大限に活かしたクイックネスの利いたドリブルでしょう。

特に右利きながら左サイドから仕掛けるカットイン(内側に切れ込む)ドリブルはキレ味抜群。
また、小刻みなボールタッチが特徴的なドリブルは対峙するディフェンダーの読みを狂わせ、多くのディフェンダーを混乱に陥れてきました。

そのプレースタイルから「ハマのメッシ」「和製メッシ」など何かと世界最高のフットボールプレーヤーとして名高いリオネル・メッシ(FCバルセロナ)に準えたあだ名をつけられることが多いですね。

 

しかし、一方でプレーの単調さ、スタミナも含めた全体的なフィジカルの脆弱さを課題としており、また、彼のようなスピードスターにありがちな筋肉系統の故障にも苦しめられ、トップコンディションで戦える期間が限られていました。

ブラジルW杯では未出場ながら現地で得た経験は相当の物だったらしく

「今は全てにおいて物足りない。テンポを作るパスや守備やヘディングだってもっと上を。」

と回想しています。

その時点から、斎藤選手の次なる戦いは始まっていたのですね。

 

世界の舞台に再び舞い戻る為に、自ら栄養学を修得し、実践。さらに体幹トレーニングの一環として古武術やヨガを取り入れるなど精力的に自身のレベルアップに着手します。

一流のフットボールプレーヤーにとって欠かすことのできない体幹強化によって斎藤選手のプレースタイルにも変化が見え始めます。体の反転のスピードも上がるので元来の武器だったカットインドリブルのキレ味はさらに増すばかりでなく、ドリブルの緩急を自在に使いこなせるまでに成長。

この緩急の使いこなしはドリブルのみならず、ボールを受ける際の動きや味方のパスを引き出す動きの質の向上、内側に絞ってのタメを作る動きなどオフザボールにおいても大いに影響をもたらしています。

 

そんな斎藤選手のプレースタイルの成長ぶりについて彼の元同僚で現在G大阪所属のMF藤本淳吾選手は

「元々のスピードに乗った状態で更にギアを上げてくるようになったのでマークにつきづらい。あいつ(齋藤学選手)のリズムに持っていかれてしまう。 」

とかつてのチームメイトの成長ぶりを大いに評価しており、また現在、横浜FマリノスでのチームメイトのMF喜田拓也選手は

「試合終盤になっても体力が落ちない。試合を通じて同じクオリティの仕掛けができるのが学君の強みだと思う」

と評価しており、課題だったフィジカル面はすっかり克服できた模様。

 

満を持して臨んだ2016年Jリーグでは33試合10ゴールと出場試合数、ゴール数共にキャリアハイを達成。

名実共に横浜Fマリノスの攻撃陣を牽引する存在にまで成長し、またリーグ戦の活躍が評価され、追加召集ながら2016年11年の国際親善試合対オマーン戦において約2年半ぶりに代表のピッチに返り咲いたのです。

 

日本代表復帰やその先に見据えるものとは?

「4年後には絶対的な存在として戻ってきます。」
「目指す所が分かったんです。」

ブラジルW杯直後に記者に代表の一員としての熱い思いを明かしていた齋藤学選手。あれから3年弱が経とうとしています。「期待の若手」と持て囃されていた立場からチームを引っ張るべき中堅に成長し、自身の立場は大きく変わろうとしています。

しかし、一方で肝心の代表ではブラジルW杯以降のハビエル・アギーレ前監督政権下でもヴァヒド・ハリルホジッチ現監督政権下でも中々出場機会に恵まれず不遇の時を過ごしてきました。

 

しかし、前述の通り、2016年シーズンのJリーグでの活躍から2016年11月の国際親善試合オマーン戦に途中出場し、約2年半ぶりの日本代表復帰を果たしています。

当然この先に見据えるのは2018年のロシアW杯出場であり、それに向けて漸くながらスタートを切ったというところで今に至ります。

来年、あの日見た夢を具現化し、あの時感じた屈辱を雪ぐためにはまず何といっても代表チームに定着することが何よりも先決となってくるのではないでしょうか?

 

今後、更に周囲の評価を上げ、代表での序列を変えるに至り、今度こそ世間に日本代表復帰を印象づける為には、現状のフィットネスを維持していくことは言うまでもなく、更にプレーのクオリティを上げていく必要があります。

とりわけ、ハリルジャパンではオフェンスのプレーヤーであろうとも高次元の守備のタスクが要求されます。

斎藤選手が守備をサボりがちな選手という訳ではありませんし、むしろ献身的な姿勢は誰もが評価しているところなのですが、そのディフェンスに荒らさが目立つシーンが多いのは大きなウィークポイントです。

これではスティール後の組み立てが困難となるだけでなく、無用なファールを乱発し、それによってユニット全体が自陣に押し込まれる展開を多く作られかねないのも危惧すべき要素です。

 

元々ドリブルを売りにした攻撃面でのプレースタイルはハリル監督に評価されており、事実、現代表において斎藤選手のようなドリブルで違いを作れるプレーヤーは不足しているので、守備面での成長がハリル監督の評価を上げるポイントになるかもしれませんね。

また、より高いレベルのステージで活躍することでハリル監督の評価を上げていくという意味では海外移籍もまた手段の一つとして考えられますね。それを意識してか、今年の冬季移籍期間では海外移籍に向けた動きを見せています。

 

海外移籍の可能性や海外の反応と評価

昨シーズン終了後に横浜Fマリノスとの契約を一旦満了させた齋藤学選手。

欧州での冬季移籍期間を利用して、欧州の数クラブと移籍に向けた交渉を進めてきました。
ここで、移籍先として候補に挙がった欧州クラブを簡単に紹介しながら振り返っていきましょう。

 

PSVアイントホーフェン(オランダ)

電機メーカーのフィリップス社を親会社にもつオランダの名門。欧州カップ戦には毎年のように参戦しており、2014-2015シーズンには欧州最高峰のUEFAチャンピオンズリーグでベスト16進出。若手の育成に長けていることでも知られるクラブです。出身者はアリエン・ロッベン(バイエルンミュンヘン=ドイツ)、メンフィス・デパイ(オリンピックリヨン=フランス)、クラース・ヤン・フンテラール(シャルケ04=ドイツ)など。

 

RSCアンデルレヒト(ベルギー)

躍進著しいベルギーサッカー界の牽引役と表現すべき強豪。3/31現在、UEFAヨーロッパリーグ8強まで勝ち残っており、数多くの有望株をベルギー代表に輩出しています。ロメル・ルカク(エヴァートン=イングランド)、ヴァンサン・コンパニ(マンチェスターシティ=イングランド)、アルゼンチン代表のルーカス・ビリア(ラツィオ=イタリア)などが出身者。

 

VfLボーフム(ドイツ)

現在ドイツツヴァイリーガ(2部)に在籍するクラブ。かつて元日本代表小野伸二選手(コンサドーレ北海道札幌)が所属していた時期もあり、日本でもそれなりに知名度(?)があります。
近年は1部と2部を行き来するエレベータークラブと化しています。

 

他にもスペイン方面からの接触もあったようですが、ボーフムはさておき、
PSVとアンデルレヒトは世界各国からの選手発掘、育成を経て欧州5大リーグ(スペイン、ドイツ、イングランド、イタリア、フランス)の強豪クラブに高値で売却する事で利益を上げて、着実にチーム強化を図ってきたクラブです。

つまり優秀なスカウティング陣を抱えており、彼らの太鼓判があったからこそ、斎藤選手に移籍の話が舞い込んできたという訳ですから、それだけ見ても彼らの斎藤選手に対する海外の反応や評価の高さが窺えるのではないでしょうか?

 

結果として、今回の海外移籍に向けた交渉は全て破談となり、斎藤選手は横浜Fマリノスの練習生からリスタートして、最終的には新たに1年間の契約を結び今年もマリノスでシーズンスタートさせていますが、元々欧州の冬季移籍期間は夏季のそれと比較すると動き自体が少ない事、また前述の通り育成に長けたクラブチームが斎藤選手獲得に向けた動きをしていたところを鑑みると今夏の海外移籍は十分考えられる話だと思います。

 

とはいえ、海外移籍については今暫くは慎重になるべきでしょうね。というのも斎藤選手が掲げている到達点は代表としてW杯に出ることであり、仮に海外移籍したとして移籍先で出場機会を失い代表候補から消える、なんて可能性もあるわけす。

 

考察するに、齋藤学選手の海外移籍の成否にについては代表での立ち位置次第となってくるのではないか?と推測します。

欧州の移籍市場が開く6月までに代表にコンスタントに選出されていればわざわざ住み慣れた故郷・横浜を出る必要はありませんし、ロシアW杯以降に海外挑戦する機会はいくらでもあります。

逆に、代表での立ち位置に変化がないのであれば新たなアピール手段として海外移籍を選択肢の1つにする可能性はぐんと上がるでしょう。特に夏季の移籍市場は伝統的に活発に動く傾向が強く、より多くのクラブチームが斎藤選手獲得に参入する可能性は間違いなく高くなるはずです。

夏まで斎藤選手の動向には目が離せそうにないですね。

 

まとめ

今回の記事では齋藤学選手がブラジルW杯から日本代表復帰を果たすまでを自身のプレースタイル等の変化とともに振り返りつつ、評価や海外の反応についてまとめてみました。

 

熾烈を極める2018ロシアW杯アジア最終予選に臨むサムライブルー。そのメンバー1人1人に代表戦にかける思いがあります。

勿論、その思いは代表入りを懸けて所属クラブで日々戦っている斎藤選手のようなプレーヤーたちにもあるはずで、そんな彼らの思いも感じながら観戦、応援していくのもサッカーのみならずスポーツの醍醐味ではないでしょうか?

 

齋藤学選手が今後どんなキャリアを行くか、代表の一員としてどんな感動をもたらしてくれるのか、今後楽しみにしながら見守っていきたいですね。